『苦しかったときの話をしようか』レビュー|評価4.8の理由とは?

『苦しかったときの話をしようか』レビュー|評価4.8の理由とは?

ヤッホー!papanaviです。

今回は、USJを年間約700万人の集客から約1500万人へと再生させた稀代のマーケター、森岡毅さんの著書『苦しかったときの話をしようか』のレビューをしていきたいと思います!

この本、Amazonレビューでは5つ星中4.5という高評価で、6,000件以上のレビューが寄せられているんです。なんで評価がこんなに高いのか?って気になりますよね。

突然ですが、みなさんは自分の「強み」って何だか分かりますか?

「あ〜、私って強みないな〜」

って思っちゃう人、多いと思うんですよね。実は僕も長いこと自分の強みが分からなくて悩んでいました。

でもこの本を読むと、「あ、そうか!自分にはこんな強みがあったんだ!」って気づかされるんです。しかも、その強みをどう活かせばいいのかまで丁寧に教えてくれる…!

今回は、そんな『苦しかったときの話をしようか』を徹底レビュー。この本が支持される理由や、実際に読んで得られる学びについて、僕なりの視点でお伝えしていきますね。

目次

『苦しかったときの話をしようか』はどんな本?著者の森岡毅さんって?

まず、この本の著者である森岡毅さんについて少し紹介しておきましょう。

森岡さんは1972年生まれ、神戸大学経営学部卒業後、1996年にP&G入社。日本ウィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネジャー、ウェラジャパン副代表等を経て、2010年にユー・エス・ジェイに入社しました。

革新的なアイデアを次々と投入し、窮地にあったUSJをV字回復させたことで知られています。2012年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長を務め、2017年にUSJを退社してマーケティング精鋭集団「刀」を設立。

「マーケティングで日本を元気に」という大義の下、数々のプロジェクトを推進している森岡さんは、USJ時代に断念した沖縄テーマパーク構想に再び着手するなど、常に注目を集める活動を続けています。

こんな森岡さんが書いた『苦しかったときの話をしようか』は、元々、著者が大学生になった自分の子どものために、就活・昇進・転職・起業などキャリア形成について書きためていたプライベートな文書が元になっているんです。

これに編集者が気づいて読んだところ感動し、一般向けに出版されることになったという経緯があります。

なんかもう、そのバックストーリーだけでグッときちゃいますよね…!

森岡毅著『苦しかったときの話をしようか』の表紙イメージ

『苦しかったときの話をしようか』の内容を簡単に紹介

本書は全6章から構成されています。

第1章では「やりたいことがわからなくて悩む君へ」というテーマで、就活前に自分の軸を決めることの重要性について語られています。

第2章「学校では教えてくれない世界の秘密」では、資本主義社会の仕組みや、自分のパースペクティブ(視点・見方)を広げることの大切さが説かれています。

第3章「自分の強みをどう知るか」では、自分の好きなことを発見し磨いていくことの重要性が語られています。ここで紹介されるTCL分析という手法は、自分の強みを見つけるのにめちゃくちゃ役立ちます。

第4章「自分をマーケティングせよ!」では、社会では自分のブランドを構築するために努力することの必要性が説明されています。

そして第5章「苦しかったときの話をしようか」(本書のタイトルにもなっている章)と、第6章「自分の”弱さ”とどう向き合うのか?」では、著者自身の苦労話や、子どもへの愛情があふれる内容が展開されます。

特にこの第5章と第6章の怒涛の展開は読者の心を激しく揺さぶり、社会人として生きることに勇気が湧いてくる内容となっています。

『苦しかったときの話をしようか』で特に印象に残ったポイント3つ

この本、全体的に学びが多すぎて「どこがよかったの?」って聞かれると答えに困るくらいなんですが…ここでは特に印象に残った3つのポイントを紹介します!

①人間は平等ではない!自分の強みにフォーカスしよう

本書の中で、森岡さんは「人間は平等ではない」と言っています。

そもそも、生まれた瞬間から人は違って、同じ人はいない。多くの人が、先天的な環境や能力を変えようともがいているけど、それって時間がもったいない!

人間の不平等を受け入れることを前提に、

①自分の特徴の理解をして、

②その特徴を磨く

 

そして、

③自ら理想とする自分に近づける環境を選ぶことができれば、

『他の誰でもない自分になれる』=1人1人が特別な価値を生めるというんです。

うーむ。確かに、変えられないことに「あーだ!こーだ!」言ってる暇があったら、自分のことをよく知り、磨く方がいいよなぁ…。

そして、そのときそのときで、ベストの環境を選ぶ。その積み重ねが大切なんだと気づかされました。

②自分の強みを見つける方法「TCL分析」

自分の強みを見つけるための具体的な方法として、森岡さんは「TCL分析」を提案しています。

これは、自分の好きな「動詞」をポストイットに書き出し、それを3つのカテゴリーに分類する方法です。

T(Thinking/思考)

C(Communication/コミュニケーション)

L(Leadership/リーダーシップ)

 

例えば、「考えることが好き」「分析するのが好き」といった動詞はT(思考)に分類されます。「話すのが好き」「聞くのが好き」といった動詞はC(コミュニケーション)に。「まとめるのが好き」「引っ張るのが好き」といった動詞はL(リーダーシップ)に分類されるわけです。

この分類をしてみると、自分がどのタイプに属しているのかが見えてきて、自分に合った職能(スキル)を選ぶヒントになるんです。

僕も実際にやってみましたが、自分でも気づかなかった傾向が見えてきて、かなり目からウロコでした!

③「ナスビはナスビにしかなれない」自分らしさを活かそう

森岡さんは「ナスビには、ナスビに適した土壌がある」と言います。

ナスビを合っていない土壌の事情に無理矢理合わせたり、ましてキュウリにしようとしてもダメ。それをやってしまうと、ナスビはただ残念なナスビになってしまう。

自分がナスビなら立派なナスビへ、キュウリなら立派なキュウリになるように、ひたすら努力を積み重ねれば良いのです。

これ、めちゃくちゃ納得できる例えですよね。

日本の学校教育では、努力して「弱点を克服する」ことが美徳とされてきました。欠点のないオールラウンドな生徒が理想で、凸凹のある生徒は劣等生のように扱われてきたような気がします。

でも森岡さんは、欠点があったとしも、それを上回る長所があるならば、そこを努力して伸ばすべきだと言うんです。

これって、すごく救われる考え方だと思いませんか?

自分の強みを探す人物のイメージ

『苦しかったときの話をしようか』が高評価を得ている5つの理由

なぜこの本がAmazonで4.5という高評価を得ているのか、実際のレビューを参考にしながら考察してみました。

①心に刺さる内容と実践的なアドバイス

この本の内容は非常に実践的で、読者の心に深く刺さるメッセージが詰まっています。

「胸が熱くなりました。多くの気づきと学びを与えてくれましたし、一歳の息子にもいつか読ませてあげたい。そのくらい心にささる書籍でした」(Amazonレビューより)

こういったコメントが多数寄せられていて、理論だけでなく実践につながるアドバイスが豊富なことが評価されているようです。

②キャリア戦略として参考になる

就活や転職、キャリア形成に悩む人にとって、具体的な指針を示してくれる内容になっています。

「キャリア戦略、就活ノウハウその参考書として有用だけれども、人生を豊かにすること、困難なことへの向き合い方を、学ぶことができる良書。全てのビジネスパーソンに読んでほしい」(Amazonレビューより)

特に、自分の強みを見つけて伸ばすという考え方は、キャリア形成において非常に役立つアドバイスとなっています。

③著者の実体験に基づく説得力

この本の魅力の一つは、著者の森岡さんの実体験に基づいた話が多いことです。特に第5章「苦しかったときの話をしようか」では、アメリカでの苦労話が生々しく描かれています。

「レビューが良かったので、購入してみました。何かを成し遂げる方は、やっぱり心がすごく強いし、文章からも頭が大変良い方なのだと文からもわかりました。アメリカ滞在中の章は、途中読んでいて子供の前なのに、泣きそうになりました」(Amazonレビューより)

実際に経験した人だからこそ語れる言葉には、説得力があります。

④親としての子供への愛情が伝わる

この本は元々、著者が自分の子どものために書いたものです。そのため、親としての深い愛情が随所に感じられます。

「親としての子供との接し方、子供の伸ばし方が学べました」(Amazonレビューより)

「尊敬出来る親が子どもの為に書いている内容。だから、本当の意味で大切なことが全て書いてある」(Amazonレビューより)

子育て中の親にとっても、子どもへの接し方や将来の選択をサポートする際のヒントが得られる本になっています。

⑤読みやすく、熱量のある文章

森岡さんの文章は、専門的な内容でありながらも読みやすく、熱量を感じられるものになっています。

「熱い本です」(Amazonレビューより)

「ジム・ロジャースが娘宛てに書いた本も読んだことがあるが、本作の方がずっと良い!ビジネス思考でありながら、たぎるほど熱い血が通っていて、愛情深く、とても正直。家族だけでなく、仲間を思い、国を憂う侍スピリットがある。会社名が刀なのは伊達ではないですね」(Amazonレビューより)

著者の熱い思いが伝わってくる文章は、読者の心を動かす力を持っています。

『苦しかったときの話をしようか』から学べる3つのこと

この本を読むことで、具体的にどんなことが学べるのか、ここでは3つのポイントにまとめてみました。

①自分の強みを見つけて伸ばす方法

先ほど紹介したTCL分析をはじめ、自分の強みを見つけるための具体的な方法が学べます。

自分にとって好きな「〜すること」こそが、これまで良い結果をもたらしてきたに違いない。「名詞」ではなく「動詞」に注目して自分の強みを見つけるという考え方は、非常に実践的です。

自分の強みが分かれば、それを活かせる職能や環境を選ぶことができるようになります。

②結果を出すことの重要性

森岡さんは「結果を出さないと誰も守れない」と言います。

組織にとって都合の良い働きをしたとしても、結局は結果が悪ければ、誰も守ってくれないし、誰も守ることはできない。

リーダーとして成すべきことは、誰に嫌われようが、鬼と呼ばれようが、恨まれようが、何としても集団に結果を出させることである。自分の周囲の仕事のレベルを引き上げて、成功する確率を上げることに、達すべきラインを踏み越えることに、一切の妥協を許さない。そういう厳しい人にならねばならないということです。

厳しい言葉ですが、現実のビジネスの世界では非常に重要な視点です。

③自分の情熱を傾ける仕事を選ぶ自由を手に入れる方法

「己の情熱を傾ける仕事を選べる自由を手に入れねばならない!」

森岡さんはこう言います。そのために必要なのは、職能(スキル)だと。

自分が選んだ職能で、圧倒的な戦闘力を身につけることで、自分の好きな仕事を選ぶ自由が手に入ります。

そのためには、自分の強みを見つけ、それを磨き続けることが大切なんです。

『苦しかったときの話をしようか』は誰に読んでほしい?

この本は、特に以下のような人におすすめです。

①就活生・新社会人

「何をやりたいのかわからない」「自分に合った仕事って何だろう」と悩む就活生や、これから社会に出る学生さんには特におすすめです。

自分の強みを見つけ、それを活かせる職能や環境を選ぶための具体的な方法が学べます。

②キャリアに悩むビジネスパーソン

「今の会社にずっといていいのか」「もっと自分に合った仕事があるのでは」と悩む社会人の方にも役立つ内容です。

自分の強みを再確認し、それを活かせる環境を選ぶヒントが得られます。

③子どもの将来を考える親御さん

子どもの将来のキャリアについて考える親御さんにもおすすめです。

子どもの強みを見つけ、それを伸ばすサポートをするための視点が得られます。また、親としての子どもへの接し方についても学ぶことができます。

『苦しかったときの話をしようか』から学んだことを実践するには?

この本から学んだことを実践するために、以下のステップを試してみてはいかがでしょうか。

①自分の好きな「動詞」を書き出してみる

まずは、自分が好きだった「〜すること」を実際に書き出してみましょう。

ポストイットと紙を用意して、最低50個、できれば100個くらいの好きな行動を動詞で書き出してみます。

サッカーが好きとか、スニーカーが好きとか、そういう「名詞」は不要です。必要なのは「動詞」です。

②TCL分析で自分のタイプを知る

書き出した動詞を、T(Thinking/思考)、C(Communication/コミュニケーション)、L(Leadership/リーダーシップ)に分類してみましょう。

ポストイットが最も集中している系統こそが、あなたの属性を表している可能性が高いです。その能力を活かせる職能を選ぶべきでしょう。

③自分の強みを活かせる環境を選ぶ

自分の強みが分かったら、それを活かせる環境を選びましょう。

就職するなら身につけたい職能で配属してくれる会社をできるだけ選ぶべきです。転職を考えているなら、自分の強みを活かせる職場を探しましょう。

自分がナスビなら立派なナスビになれる環境を選ぶことが大切です。

『苦しかったときの話をしようか』まとめ:自分の強みを見つけて、人生を切り開こう

『苦しかったときの話をしようか』は、単なるキャリア本ではなく、自分の人生を主体的に切り開くための考え方が学べる本です。

特に印象に残ったのは以下の3つのポイントです。

①人間は平等ではない!自分の強みにフォーカスしよう

②自分の強みを見つける方法「TCL分析」

③「ナスビはナスビにしかなれない」自分らしさを活かそう

 

この本が高評価を得ている理由は、心に刺さる内容と実践的なアドバイス、キャリア戦略として参考になる点、著者の実体験に基づく説得力、親としての子供への愛情が伝わる点、読みやすく熱量のある文章にあると考えられます。

自分の強みを見つけて伸ばす方法、結果を出すことの重要性、自分の情熱を傾ける仕事を選ぶ自由を手に入れる方法など、実践的な学びが多く得られる本です。

就活生・新社会人、キャリアに悩むビジネスパーソン、子どもの将来を考える親御さんなど、多くの人に読んでほしい一冊です。

「自分の強み」を見つけて、それを伸ばし、自分らしい人生を切り開いていきましょう!

この本を読んで、僕自身も自分の強みを見つめ直すきっかけになりました。みなさんも、ぜひ手に取ってみてください!

詳細はこちら:苦しかったときの話をしようか 森岡 毅 (著)