「AIが作ったデザイン、直してくれ」が増えてる件——デザイナー20年の本音
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こんにちは、papanaviです。
先日、Web担当者Forumでこんな記事を見つけたんですよ。
「AIが作ったWebサイトのデザインがなんかダサいので直してほしい」
この相談がめちゃくちゃ増えてるんだそうです。
参照:AIデザイン時代に”自社らしさ”が際立つWebサイトを作るための3要素 | Web担当者Forum
僕ね、デザイナー歴20年以上なんですけど。
これ見た瞬間、「あー、やっぱりな」って思ったんですよね。
実は僕も最近、まさにこの相談を受けたところなんです。
「AIで作ったデザイン、なんか良くないから直してほしい」って。
今ちょうどその案件を進めてるところで、タイムリーな記事だなと。
AIが作るデザインって、どこか「つまらない」んですよ。
キレイなんだけど、心に残らない。
整ってるんだけど、なんか惹かれない。
で、これって偶然じゃなくて、ちゃんと理由があるんです。
今日はその話と、じゃあデザイナーとしてどう動くべきか、書いてみます。
なぜAIデザインは「なんかダサい」のか?

結論から言うと、AIが出すデザインは「平均点」だからです。
僕はこれを「ユニクロ現象」って呼んでるんですけどね。
ユニクロの服、品質いいじゃないですか。デザインも悪くない。価格も手頃。
でも、街を歩くとみんな同じ服着てるように見える。
電車で向かいの人と同じダウンジャケットだった、あの気まずさ。覚えある人いると思います。
AIデザインも同じことが起きてるんですよ。
AIは「美容室っぽいサイト」は作れる。でも…
試しにAIに「美容室のWebサイト作って」って言うと、こうなります:
- 白ベースの清潔感あるデザイン
- グレーかゴールドのアクセント
- サンセリフ体のモダンなフォント
- 女性モデルの写真(だいたい横顔かブロー中)
- 「Beauty」「Relax」「Style」の英語コピー
これ、日本中の美容室サイトの8割がこのパターンじゃないですか?
間違ってはいない。でも正解でもないんですよね。
「この美容室ならでは」が何もないから。
元記事でMana氏も言ってたんですけど、AIデザインって:
- 説明は多いけど図解がない
- 導線がわかりづらい
- 関係ない画像が出てくる
- 「誰に」「どう使ってほしいか」が設計されてない
要するに、「魂がない」んです。
AIに「意思」はあるのか?——「ダサい」の正体
ここが核心なんですけど。
AIには「意思」がないんですよ。
デザインって、「これを伝えたい」「こう感じてほしい」っていう意思が必要なんです。
僕が20年やってきて一番大事にしてることがこれ。
AIは「美容室のサイト作って」って言われたら、「美容室のサイトっぽいもの」を作る。
それ以上でもそれ以下でもない。
でも人間のデザイナーって、こう考えるんです。
「このオーナーさん、30年前にこの街で一人で始めたんだ」
「常連さんの中には、オープン当時から通ってる人もいる」
「その関係性を大事にしたいって言ってたな」
「じゃあ、新規客だけじゃなくて、常連さんも居心地よくなるデザインにしよう」
この「だからこうしよう」がAIにはできないんですよね。
「なんかダサい」「なんか物足りない」「なんか心に響かない」
その「なんか」の正体は、意思と情熱の不在だと僕は思ってます。
デザイナーの仕事は「AIに奪われる」のか?

ちょっとデータを見てみましょう。
ダボス会議の2025年レポート。
グラフィックデザイナーが「最も急速に衰退する職種」の11位にランクインしてました。
55カ国・1400万人分のデータ。ガチなやつです。
でも、同じレポートでUI/UXデザインは「成長職種」の8位。
つまりこれ、終わりじゃなくてシフトなんですよ。
「AIに仕事を奪われる」じゃなくて…
よく言われてることなんですけど。
「AIに奪われる」んじゃなくて、「AIを使う人間に奪われる」。
これ、最初は「うまいこと言うな」くらいに思ってたんですけど。
実際にAI使い始めたら、その通りでした。
AIを使いこなせるかどうかで、仕事の質もスピードも変わってくる。
これは実感としてあります。
人間にしかできない仕事——「聞く力」の話
じゃあ、何が人間にしかできないのか。
僕は「聞く力」だと思ってます。
ホテルのコンシェルジュを想像してみてください。
「おすすめのレストラン教えて」って聞かれたとき、ただ人気店紹介するだけじゃないですよね。
お客様の雰囲気、服装、連れの方との関係性、声のトーン。
そういうのを見て、「この方が本当に求めてるもの」を察して提案する。
デザイナーの仕事も同じなんです。
クライアントと話してると、声のトーンが変わったり、表情がふと緩んだりする瞬間がある。
そこに本当の想いがあることが多いんですよね。
- 「シンプルに」って言ってるけど、表情は「もっと華やかにしたい」って言ってる
- 「なんでもいいです」って言いながら、特定の事例見せたときだけ目が輝く
- 「予算内で」って言いつつ、ここだけは譲れない部分がある
こういう非言語の情報を読み取る。これがデザイナーのホスピタリティです。
AIは言語化されたプロンプトがないと動けない。
でも人間は、言語化されてないものを読み取れる。
昔は「作る仕事」に価値があった。
今は「聞く仕事」に価値がある。
「作る」はAIができるようになったから。
でも「聞いて、感じ取って、形にする」は、まだ人間にしかできない。
AIとの付き合い方——僕が考えてること
ここからは、僕が考えてることの話。
AIを「敵」と見るか「道具」と見るか。
この違いで、これからの働き方は大きく変わると思ってます。
僕はデザイナー20年やってきて、最近はAIを仕事に取り入れ始めてるところです。
正直、まだ試行錯誤中。完全に使いこなせてるわけじゃない。
でも一つ気づいたことがあって。
AIが出すデザインは「それっぽい」けど、「それっぽい」だけなんですよね。
クライアントの想いを理解して、それをデザインに落とし込む——その部分は、やっぱり人間がやらないといけない。
むしろ、AIを使うことで、自分が20年かけて培ってきた「本当の強み」が何なのかが、はっきりと見えてきました。
それは「技術」じゃなかった。「センス」でもなかった。
「クライアントが何を欲しがってるか察して、形にする。見せたときに『あ、これこれ』って言ってもらう」能力だったんです。
これからは、手を動かすデザイナーから、AIを動かすデザイナーへ。
このシフトができるかどうかが、分かれ目になると思ってます。
で、今何すればいいの?——3つの行動
「結局何すればいいの?」って話ですよね。
3つだけ。
① 自分の仕事を3つに分ける
1. 完全にAIで代替できる部分(バナーのサイズ展開とか)
2. AIで70%の叩き台を作れる部分(ラフ案出しとか)
3. 人間が判断しないと無理な部分(クライアントとの対話、コンセプト設計)
③の比率が少ないなら、5年以内に価値が激減する前提で動いた方がいい。
② 「直してくれ」と言われる側になる
AIが普及すればするほど、「AIが作れないもの」を作れる人の価値は上がる。
「AIが作ったデザイン、直してくれ」
この相談を受けられるポジションを目指す。
③ 毎日1つ、AIでプロセス改善する
2〜3年積み上がると、何もしてない同業者と致命的な差になる。
逆に言えば、今から始めれば2年後にはかなり有利なポジションにいられる。
まとめ:じゃあ、どうするか
「AIが作ったデザインがダサい」っていう現象。
これ、別にデザイナーにとって朗報ってわけでもないんですよね。
だって、ダサいと言われてるけど「それでいい」って人もいるわけで。
安くて早ければ、ダサくてもいいって層は確実にいる。
正直に言うと、僕も不安はあります。
20年やってきたことが、どこまで通用するのか。
でも、一つだけ確信してることがあって。
「聞く力」と「察する力」は、まだAIにはできない。
クライアントが何を欲しがっているか察して、形にする。
見せたときに「あ、これこれ」って言ってもらう。
この部分は、まだ人間の仕事だと思ってます。
AIとどう付き合っていくか。
正解はまだわからない。僕も試行錯誤中です。
冒頭で話した「AIデザインを直してほしい」の案件、今まさに進めてるところ。
クライアントと話しながら、「この会社らしさって何だろう」を一緒に探ってます。
こういう仕事が増えるのかもしれない。そう思うと、悪くない未来かなと。
とりあえず、今日も手を動かしていきます。
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